媒介契約の種類と選び方|一般・専任・専属専任の違いと向いている人

更新日 2026/10/09 執筆:売るイエ編集部

不動産会社に売却を依頼するときは、宅地建物取引業法にもとづく媒介契約を結びます。3種類のどれを選ぶかで、依頼できる会社の数や不動産会社の義務が変わります。違いと、状況に合った選び方をまとめました。

このページの内容

3種類の媒介契約の違い

媒介契約の比較
一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数の会社への依頼できるできない(1社のみ)できない(1社のみ)
自分で見つけた買主との取引できるできるできない
契約の有効期間法律上の上限なし(3か月以内が一般的)3か月以内3か月以内
売却活動の報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
レインズへの登録義務なし契約から7日以内(休業日を除く)契約から5日以内(休業日を除く)
仲介手数料の上限同じ同じ同じ

レインズ(指定流通機構)は、不動産会社どうしが物件情報を共有するシステムです。物件が登録されると、ほかの不動産会社も自社の顧客に紹介できるため、買主が見つかりやすくなります。登録した不動産会社は、登録を証明する書面を売主に渡す必要があります。

一般媒介のメリット・デメリット

  • メリット:複数の会社に同時に依頼でき、各社の対応や提案を比べられます。自分で見つけた買主と直接取引することも可能です。
  • デメリット:不動産会社に報告義務やレインズへの登録義務がなく、売却活動の状況は自分で確認する必要があります。他社で成約すると報酬を得られないため、会社によっては広告などに力を入れにくいことがあります。

一般媒介には、ほかに依頼している会社を知らせる「明示型」と、知らせない「非明示型」があります。国土交通省の標準媒介契約約款では明示型が基本です。

専任媒介・専属専任媒介のメリット・デメリット

  • メリット:1社が責任を持って売却活動を行い、定期的な報告とレインズへの登録が義務づけられています。窓口が1つなので、進み具合を把握しやすいのも利点です。
  • デメリット:1社にしか依頼できないため、売れるかどうかが会社や担当者の力量で大きく変わります。専属専任媒介では、親族や知人など自分で見つけた買主とも、その会社を通さずに取引できません。

状況別の選び方

状況ごとに向いている媒介契約
状況向いている契約理由
駅に近い人気のマンションなど、買主が付きやすい物件一般媒介複数社が並行して買主を探し、競争が働きやすい
郊外の戸建てや土地など、買主が見つかりにくい物件専任媒介1社が責任を持って広告・活動し、報告で状況を確認できる
初めての売却で、窓口を1つにして任せたい専任媒介レインズ登録と2週間ごとの報告で、任せきりにならずに済む
知人や近所の人に買ってもらう可能性がある一般媒介または専任媒介専属専任媒介では自分で見つけた買主と直接取引できない
こまめに報告を受けて進めたい専属専任媒介1週間ごとの報告が義務になっている

迷ったら、査定の根拠や担当者の説明に納得できた会社と専任媒介を結び、3か月の期間中の活動内容を見て更新するか判断する方法が一般的です。どの契約でも、売却の結果は担当者の対応や販売計画の具体性によって大きく変わります。

有効期間・更新・途中解約

専任媒介・専属専任媒介の有効期間は3か月以内で、更新は売主からの申し出がある場合に限られます。自動更新にはならないため、期間満了時は契約の種類や依頼先を見直すよい機会です。

有効期間中の解約は、契約書の定めによります。国土交通省の標準媒介契約約款にもとづく契約では、専任媒介の期間中に自分で見つけた買主と契約した場合は、不動産会社が使った費用(広告費など)の償還を求められることがあります。また、ほかの不動産会社の仲介で契約した場合は、約定の報酬額に相当する違約金を求められることがあります。

一方、不動産会社が報告やレインズへの登録などの義務を果たしていなければ、売主は契約の解除を求めることができます。解約を考えたら、まず契約書の解除の条項を確認しましょう。

「囲い込み」を避けるために

囲い込みとは、売主から依頼を受けた不動産会社が、買主側の仲介手数料も得るために、ほかの会社からの購入の問い合わせを「商談中」などとして断ることです。売主にとっては買主の候補が減り、売却が遅れたり価格が下がったりするおそれがあります。

2025年1月1日から、レインズに登録する事項に「取引の申込みの受付に関する状況」(公開中・書面による購入申込みあり・売主都合で一時紹介停止中)が加わり、不動産会社が状況を正しく登録することが求められるようになりました。不動産会社が売主に渡すレインズの登録証明書には2025年1月から2次元コードが載り、売主は専用の画面で自分の物件の取引状況を確認できます。

仲介手数料の上限

売買が成立したときに支払う仲介手数料には、国土交通大臣の告示で上限が定められています。媒介契約の種類によって上限は変わりません。

仲介手数料の上限(売主が支払う分、消費税別)
売買価格のうち上限の料率
200万円以下の部分5%
200万円超400万円以下の部分4%
400万円を超える部分3%

売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円」で同じ額を計算できます。例えば3,000万円の物件なら、上限は96万円に消費税を加えた105.6万円です。

2024年7月1日からは、売買価格が800万円以下の宅地・建物(使用の状態は問いません)について、現地調査などの費用を含めて30万円の1.1倍(33万円)まで受け取れる特例があります。適用するには、媒介契約の際に不動産会社から説明を受け、合意することが必要です。

よくある質問

一般媒介と専任媒介はどちらがよいですか?

買主が付きやすい物件で複数社を比べたい場合は一般媒介、1社に任せて定期的な報告を受けながら進めたい場合は専任媒介が向いています。迷ったら、納得できる会社と専任媒介を結び、3か月の活動を見て更新を判断する方法が一般的です。

媒介契約の種類で仲介手数料は変わりますか?

変わりません。上限は国土交通大臣の告示で定められており、どの種類の媒介契約でも同じです。

媒介契約は途中で解約できますか?

契約書の定めによります。専任媒介・専属専任媒介の期間中に自分で見つけた買主やほかの会社の仲介で契約した場合は、費用の償還や違約金を求められることがあります。不動産会社が報告などの義務を果たしていなければ、解除を求めることが可能です。

専属専任媒介で、知人に売ることはできますか?

専属専任媒介では、自分で見つけた買主とも依頼した不動産会社を通して取引する必要があります。知人に売る可能性がある場合は、一般媒介か専任媒介を選びます。

媒介契約の期間はどのくらいですか?

専任媒介・専属専任媒介は3か月以内で、売主からの申し出がある場合に限り更新できます。一般媒介には法律上の上限はありませんが、3か月以内とすることが一般的です。

仲介手数料はいつ支払いますか?

売買契約の成立で報酬が発生します。契約時に半額、決済・引き渡し時に残りの半額を支払う例が多く、支払い時期は媒介契約書で確認します。

この記事の監修者

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中村亮太宅地建物取引士

宅地建物取引士として10年以上、不動産売却・査定・中古住宅売買などの実務に携わる。不動産市場のデータと現場経験をもとに、売主が判断しやすい正確でわかりやすい情報提供を心がけている。

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