中村亮太宅地建物取引士
宅地建物取引士として10年以上、不動産売却・査定・中古住宅売買などの実務に携わる。不動産市場のデータと現場経験をもとに、売主が判断しやすい正確でわかりやすい情報提供を心がけている。
記事の解説と用語を監修しています。
更新日 2026/10/09 執筆:売るイエ編集部
売却相場は、無料で公開されている公的なデータで自分でも調べられます。どの種類の価格を見るか、自分の物件の条件にどう当てはめるかを押さえておくと、不動産会社の査定額が妥当かどうかを判断しやすくなります。
「相場」として目にする価格には、性質の違うものが混ざっています。売却の目安にするのは、実際に取引が成立した価格です。
| 種類 | 内容 | 主な調べ先 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 成約価格 | 不動産会社の仲介で実際に契約が成立した価格 | 不動産情報ライブラリ、レインズ・マーケット・インフォメーション | 売却の目安の中心にする |
| 取引価格 | 取引の当事者へのアンケートで得られた価格 | 不動産情報ライブラリ | 成約価格と同じく実際の取引の水準を見る |
| 売出価格 | 売り出し中の物件の希望価格 | 不動産ポータルサイト | 競合物件の価格を知る。実際の成約は売出価格より低くなることがある |
| 公示地価・基準地価 | 国・都道府県が毎年公表する標準的な土地の価格 | 不動産情報ライブラリ、国土交通省 | 土地の価格水準と前年からの変化を見る |
| 路線価・固定資産税評価額 | 相続税や固定資産税を計算するための評価額 | 国税庁の路線価図、市区町村 | 課税用の評価。売却価格の目安にはそのまま使わない |
土地には公示地価・基準地価・路線価・固定資産税評価額と、実際の取引価格(実勢価格)があり、「一物四価」とも呼ばれます。路線価は公示地価の8割程度、固定資産税評価額は7割程度が目安とされており、課税用の評価額をそのまま売却価格の目安にすると低く見積もりすぎることがあります。
2024年4月に運用が始まった国土交通省のサイトです。地図上で、取引価格(アンケートにもとづく価格)と成約価格、地価公示・都道府県地価調査を見られます。ハザードマップや都市計画、周辺施設の情報も重ねて表示でき、買主が気にする点を売主の側でも確認できます。
不動産会社が使う物件情報システム(レインズ)の成約情報を、個別の取引が特定できないよう加工して公開しているサイトです。マンションと戸建ての成約価格を、地域・面積・築年数などの条件で絞り込めます。
国土交通省が公開する成約価格・取引価格を、市区町村・町名・駅ごとに集計し、中央値・価格帯・件数・推移・条件別(築年数・面積・駅徒歩など)の相場を掲載しています。売出価格とは混ぜていません。
地域の相場を見る
売り出し中の物件の価格は、買主が比べる競合物件の情報として役立ちます。ただし売主の希望価格なので、成約価格より高めになりやすい点に注意してください。
単価で比べる例:近くの似た条件のマンションが専有面積70㎡で3,500万円(1㎡あたり50万円)なら、自分の部屋が65㎡のとき単純計算では3,250万円前後が目安になります。階数・向き・管理状態などで上下します。
同じマンション内や近くのマンションの成約事例が参考になります。専有面積あたりの単価、築年数、駅からの距離、階数・向き、管理状態(修繕積立金の水準など)が価格に影響します。
土地と建物をあわせた価格で取引されます。築年数が進むと建物部分の評価が下がり、土地の価格の比重が大きくなります。土地面積、前面道路の幅、建物の状態や再建築できるかどうかで価格が大きく変わるため、条件の近い事例が少ない場合は価格に幅を持たせて見ることが必要です。
1㎡(または1坪)あたりの単価で比べるのが基本です。公示地価・基準地価で地域の水準と前年からの変化を確認し、実際の取引価格で補います。形状、前面道路、用途地域、高低差などで単価が変わります。
平均値は一部の高額な取引の影響を大きく受けます。一般的な水準を見るのに向いているのは、中央値(価格を順に並べたときの真ん中の値)です。あわせて、価格の中央50%が入る範囲(25%点〜75%点)を見ると、どのくらいの幅で取引されているかがわかります。
件数が少ないと、たまたま含まれた取引で中央値が大きく動きます。このサイトでは件数と期間を必ず表示し、件数が少ない場合は参考値と明記するか、中央値を表示しません。
地域の中央値は、さまざまな条件の物件をまとめた集計値です。条件別の表で自分の物件に近い価格帯を確認し、最終的な価格は個別の条件を見た査定で判断します。
自分で調べた相場の価格帯と比べて、査定額が大きく外れていないかを確認します。外れている場合は、その理由を不動産会社に聞きましょう。
調べられます。国土交通省の不動産情報ライブラリ、レインズ・マーケット・インフォメーション、このサイトで、実際の取引価格・成約価格を無料で確認できます。
中央値は地域のさまざまな条件の物件をまとめた集計値です。査定額は個別の物件の築年数・面積・状態などをもとに算出されるため、中央値とは異なります。
土地の価格水準や変化の目安にはなりますが、そのまま売却価格にはなりません。路線価は公示地価の8割程度、固定資産税評価額は7割程度が目安とされる課税用の評価額です。実際の取引価格・成約価格とあわせて見ます。
物件や時期によって異なります。売出価格は売主の希望額で、交渉や値下げを経て成約するため、成約価格は売出価格以下になることが多くあります。売却の目安にするなら、成約価格・取引価格です。
決まりはありませんが、1社だけでは金額の妥当性を判断しにくいため、複数社に依頼して査定額と根拠を比べるのが一般的です。

中村亮太宅地建物取引士
宅地建物取引士として10年以上、不動産売却・査定・中古住宅売買などの実務に携わる。不動産市場のデータと現場経験をもとに、売主が判断しやすい正確でわかりやすい情報提供を心がけている。
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