不動産売却の流れ|全7ステップと期間・必要書類・費用

更新日 2026/10/09 執筆:売るイエ編集部

家やマンション、土地を売るときは、相場の確認から引き渡し、確定申告まで、7つの段階を順に進めます。全体でかかる期間、各段階でやること、用意する書類、住宅ローンが残っている場合の進め方をまとめました。

このページの内容

売却の全体像と期間の目安

不動産会社に仲介を頼んで売る場合、一般的な流れは次の7ステップです。期間は物件の種類・地域・価格設定で大きく変わります。各社の解説では、査定から引き渡しまで3〜6か月程度を目安とすることが多くあります。なかでも、売り出してから買主が決まるまでの期間は予測しにくい部分です。

不動産売却の7ステップ
ステップやること期間の目安主な書類
1 相場を調べる同じ地域・種類の成約価格・取引価格を確認する数日—
2 査定を依頼する複数社の査定額と根拠を比べる1〜2週間登記簿、固定資産税の納税通知書、購入時の資料
3 媒介契約を結ぶ依頼する会社と契約の種類を決める1週間程度本人確認書類
4 売却活動をする売出価格を決め、広告・内覧に対応する1〜3か月程度(物件による)間取り図、設備の資料
5 売買契約を結ぶ条件を調整し、契約して手付金を受け取る申込みから1〜2週間実印、印鑑証明書、登記識別情報(登記済証)
6 決済・引き渡し残代金を受け取り、登記・鍵の引き渡しをする契約から1〜2か月登記識別情報、印鑑証明書、鍵、ローンの返済関係書類
7 確定申告をする利益が出た・特例を使う場合に申告する売った翌年2月16日〜3月15日売買契約書、取得時の資料、費用の領収書

期間は一般的な例で、土地や戸建てで境界が確定していない場合は測量に時間がかかります。相続した物件は、先に名義変更(相続登記)が必要です。

ステップ1 相場を調べる

最初に、売りたい物件と同じ地域・同じ種類の物件が、実際にいくらで取引されているかを確認します。売り出し中の物件の価格(売出価格)は売主の希望額で、値下げを経て成約することもあるため、実際に売れた価格である成約価格・取引価格を基準にします。

先に自分で相場を把握しておくと、次の査定で提示される金額が高すぎないか、低すぎないかを判断しやすくなります。築年数・面積・駅からの距離など、自分の物件に近い条件の価格帯まで確認しておきましょう。

ステップ2 査定を依頼する

不動産会社に査定を依頼し、いくらで売れそうかの見立てを出してもらいます。査定には2つの方法があります。

  • 机上査定(簡易査定):所在地・面積・築年数などのデータと周辺の取引事例から算出する方法です。早ければ当日〜数日で結果が出ます。
  • 訪問査定:担当者が現地で室内の状態、日当たり、周辺環境、境界などを確認して算出します。より実際に近い金額になりやすい方法です。

査定額は「この価格で売れる」という約束ではありません。高い査定額を出した会社に任せたくなりますが、根拠のない高値で売り出すと買主が付かず、値下げを重ねて結果的に時間がかかることがあります。複数の会社に依頼し、金額だけで選ばずに「どの取引事例を根拠にしたか」「売れるまでにどのくらいかかる見込みか」も比べてください。

ステップ3 媒介契約を結ぶ

売却を任せる不動産会社と媒介契約を結びます。一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があり、複数の会社に依頼できるか、不動産会社から活動報告を受けられるか、自分で見つけた買主と取引できるかが異なります。どの種類でも仲介手数料の上限は同じです。

ステップ4 売却活動をする

不動産会社と相談して売出価格を決めます。広告や物件情報サイトへの掲載、レインズ(不動産会社間の物件情報システム)への登録は、不動産会社の担当です。購入希望者から問い合わせがあれば、売主は内覧に対応します。

売出価格の決め方

売出価格は、相場と査定額をもとに、値引き交渉の余地を見込んで決めることが多くあります。相場より大きく高い価格は反響が集まりにくく、売り出してしばらく問い合わせがなければ、価格や条件を見直す判断が必要になります。

内覧の準備

  • 室内を片付け、水回りや玄関を清掃しておく
  • 日中の明るい時間帯に照明をつけて見せる
  • 設備の不具合や修繕の履歴を正直に伝えられるよう整理しておく

ステップ5 売買契約を結ぶ

購入希望者から購入申込書が届いたら、価格・引き渡し時期・付帯設備などの条件を調整します。条件がまとまると、不動産会社が買主に重要事項説明を行ったうえで、売買契約を結びます。

  • 手付金:契約時に買主から受け取るお金です。売買代金の5〜10%程度が多く、決済時に代金の一部に充てられます。
  • 印紙税:売買契約書に収入印紙を貼ります。2027年3月31日までに作成する契約書は軽減税率が適用され、契約金額が1,000万円超5,000万円以下なら1万円です。
  • 契約不適合責任:引き渡した物件が契約の内容と合わない場合(雨漏りなど)に売主が負う責任です。知っている不具合は告知書に書き、責任を負う範囲と期間を契約書で確認します。

ステップ6 決済・引き渡し

決済日には、買主から残代金を受け取るのと同時に、司法書士が所有権移転登記を申請し、売主は鍵を引き渡します。決済は、買主が住宅ローンを借りる金融機関に売主・買主・不動産会社・司法書士が集まって行うのが一般的です。

  • 住宅ローンが残っている場合は、受け取った代金で完済し、抵当権の抹消登記を同時に行います。
  • 固定資産税・都市計画税は、引き渡し日を基準に日割りで買主と精算するのが一般的です。
  • 引き渡し前に引っ越しを済ませ、電気・ガス・水道の精算や郵便の転送手続きをしておきます。

ステップ7 確定申告をする

売却で利益(譲渡所得)が出た場合は、売った年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をします。マイホームを売ったときの3,000万円特別控除などの特例を使う場合は、税額が0円になっても申告が必要です。利益が出ず、特例も使わない場合は、譲渡所得の申告は不要です。

住宅ローンが残っている場合

住宅ローンが残っていても売却はできますが、引き渡しまでに完済して抵当権を外す必要があります。まず金融機関に残高を確認し、売却価格の見込みと比べます。

ローン残高と売却価格の関係
状況進め方
売却代金で完済できる(アンダーローン)決済時に売却代金で完済し、抵当権を抹消する。残りが手取りになる
売却代金だけでは足りない(オーバーローン)不足分を自己資金で補う。住み替えの場合は、新居のローンに残債をまとめる住み替えローンを扱う金融機関もある

手取り額は「売却価格−ローン残高−仲介手数料・印紙税・登記費用などの諸費用−税金」で見積もります。諸費用の大部分は仲介手数料です。

住み替えの場合は売りと買いの順番を決める

売り先行と買い先行の比較
売り先行買い先行
進め方今の家を売ってから新居を買う新居を買ってから今の家を売る
よい点売却額が確定してから資金計画を立てられる新居をじっくり選べ、引っ越しが1回で済む
注意点引き渡しまでに新居が決まらないと仮住まいが必要売れるまで二重のローン・維持費がかかる。売り急いで値下げしやすい

資金に余裕がない場合は売り先行が一般的です。売買契約で引き渡し日を調整したり、新居の購入契約に「今の家が売れなかった場合の解除」の条件を付けたりする方法もあります。

必要書類の一覧

売却で使う主な書類
書類使う場面入手先
登記識別情報または登記済証(権利証)決済時の所有権移転登記購入時に受け取ったもの
印鑑証明書・実印契約・決済市区町村(決済時は発行から3か月以内を求められることが多い)
本人確認書類査定・媒介契約・決済運転免許証など
固定資産税・都市計画税の納税通知書査定、税金の精算毎年4〜6月ごろに市区町村から届くもの
購入時の売買契約書・重要事項説明書査定、確定申告(取得費の計算)購入時に受け取ったもの
建築確認済証・検査済証、図面売却活動、買主への説明購入時の資料(戸建て)
管理規約・長期修繕計画など買主への説明管理組合・管理会社(マンション)
確定測量図・境界確認書土地・戸建ての契約測量時に受け取ったもの
ローンの残高証明書・返済予定表決済時の完済手続き金融機関

購入時の売買契約書は、確定申告で取得費を計算する根拠になります。見つからないと取得費を売却額の5%として計算することになり、税額が大きく増える場合があるため、早めに探しておきましょう。

売却にかかる主な費用

売却時の主な費用
費用目安
仲介手数料上限は売買価格×3%+6万円+消費税(売買価格400万円超の場合)。3,000万円なら上限105.6万円
印紙税契約金額1,000万円超5,000万円以下で1万円(2027年3月31日までの軽減税率)
抵当権抹消の登記費用登録免許税と司法書士への報酬
譲渡所得の税金利益が出た場合のみ。特例で0円になることもある
そのほか(必要な場合)測量費、建物の解体費、ハウスクリーニング、引っ越し費用

仲介と買取の違い

不動産会社に買主を探してもらう「仲介」のほかに、不動産会社が直接買い取る「買取」があります。買取は買主を探す期間がないため早く現金化でき、仲介手数料がかからないことが多い一方、価格は仲介で売る場合より低くなるのが一般的です。売却の期限が迫っている場合や、建物の状態が悪く一般の買主が付きにくい場合の選択肢になります。

よくある質問

家を売るのにどのくらいの期間がかかりますか?

査定から引き渡しまで3〜6か月程度を目安にすることが多いですが、物件の種類・地域・価格設定で大きく変わります。売り出してから買主が決まるまでの期間は予測しにくいため、期限がある場合は早めに相場の確認と査定を始めると予定を立てやすくなります。

住宅ローンが残っていても家は売れますか?

売れます。決済時に売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する流れです。売却代金で完済できない場合は、不足分を自己資金で補うか、住み替えローンなどを金融機関に相談します。

売却の相談は何から始めればよいですか?

最初に同じ地域・種類の物件の成約価格・取引価格を調べ、相場を把握します。そのうえで複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額の根拠を比べて依頼先を決めます。

住みながら売ることはできますか?

できます。住みながら売却活動をする売主は多く、内覧の日程を調整して室内を整えておけば対応できます。引っ越しは、引き渡し日までに済ませれば問題ありません。

売却にかかる費用はどのくらいですか?

主な費用は仲介手数料で、上限は売買価格×3%+6万円に消費税を加えた額です(売買価格400万円超)。ほかに印紙税、抵当権抹消の登記費用、利益が出た場合の税金がかかります。

相場は売出価格と成約価格のどちらで見るべきですか?

実際に売れた価格である成約価格や取引価格を基準にします。売出価格は売主の希望額で、値下げを経て成約することもあります。

この記事の監修者

中村亮太の写真

中村亮太宅地建物取引士

宅地建物取引士として10年以上、不動産売却・査定・中古住宅売買などの実務に携わる。不動産市場のデータと現場経験をもとに、売主が判断しやすい正確でわかりやすい情報提供を心がけている。

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